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平凡な日々の日記


by seaofsea
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第47話 「秘密Ⅲ」

映画を見終わったあと、近くの喫茶店に入って
お茶することにしたんですが・・・


静香ちゃんったら感動しっ放し・・・





「ほんと良かったぁ・・・
久々に感動したね、先生♪」



「そ、そうだね・・・」


って、俺は全然見てなかったけどな・・・ヽ(;´Д`)ノ

だってさ、映画の上映中2時間以上もずっと、
体ごと俺にもたれかかってくるもんだから、
全然映画に集中できなかったんだよっ(汗)

さすがに映画館の中でキスはしなかったけどさ、
静香の肩に回していた右手をちょっと動かせば、

オッパイにあたりそうだし・・・
お前絶対わざとだろ? わざとオッパイを突き出しただろ?
俺にもんで欲しかったのか? それとも乳首をつまん・・・



と、とにかくだ・・・

お前が喜んでくれれば、俺はそれだけで嬉しいからさ。
お前の体重がかかって、しびれて感覚が麻痺してしまった
俺の右手のことなんか全然気にしなくていいからな。

関係ないけど、腕枕って俺嫌いなんだよね・・・



二人で、といっても口を開いたのはほとんど静香なんだけど、
とにかくペチャクチャと映画について喋っていました。

「あの女優さん、可愛いよねぇ♪」なんていった
映画の内容からは程遠い話題ばっかだけどねヾ(´▽`)



夢中で喋っていた静香が一息いれようと
コップを口にしようとして、
「あれ、もうカラだぁ。」


あははは。喋るのに夢中で
無意識に飲み干しちゃったんだね。
こういうところは子供っぽくて可愛いよなぁ♪


って、ヲイ!!
残った氷を口いっぱいに頬張るのはやめなさいっ!!
お口にモノを入れてモグモグさせている様子がイヤラ・・・
もう、みっともないなぁ(汗)


「えへへ。」
って笑う静香に萌えるオッサンです・・・



「何か買ってくるよ。なにがいい?」

お嬢様、何なりと申し付け下さいませ。




「・・・ううん、いらない。」


ふ~ん。あ、そう・・・。


「じゃ、俺の買ってくるからさ、ちょっと待っててくれよ。」


そう言って立ち上がろうとして・・・








「せんせぇ・・・」


ん?



「私・・・合格したんだよね・・・」




静香に聞かれて、何気なく答えました。


「そうだね。ホントに良かったね。よく頑張ったよ。」





本当にそう思うよ・・・静香・・・



本当に本当によく頑張ったって・・・












「わたし・・・














先生のことが好き・・・」



ごふっ!!
(吐血)


(゚Д゚;≡゚Д゚;)
いきなりかよっ!!





多分・・・
今日中に告白してくるだろうって思ってたけどさ・・・






もうちょっと心の準備ぐらい
させてくれよっ!!
∑(; ̄□ ̄A アセアセ














静香は・・・





ただうつむくように・・・





下をむいていて・・・











これは・・・あの時と同じで・・・






「先生・・・

私と付き合ってもらえませんか?」




告白されたあの日・・・





勇気をふりしぼって告白してくれた静香を・・・





無下に断ってしまい・・・





俺は・・・








静香を泣かせてしまった・・・









「絶対先生には迷惑かけないから。
お願いだから・・・
会わないとか言わないで下さい。」





そう言って君はポロポロ泣いていたんだよね・・・












今は俺は・・・あの頃の俺とは違う・・・





お前を無神経に傷つけたあの頃の俺とは全然違う・・・





今の俺は・・・





本気で君に惚れているから・・・













でも・・・





だけど・・・





やっぱり俺は無神経で、
いい加減だったと思う・・・





なぜなら・・・





俺は・・・





お前とは・・・





静香とは絶対に付き合うことはできないから・・・








俺には・・・




















他に大切な人がいるから・・・


















「あのな、静香・・・」


俺が口を開くと、ゆっくり静香が顔をあげて・・・

不安そうな顔で俺を見つめていて・・・







俺は・・・





また、こいつを泣かせてしまう・・・








「私、合格したよ? 一生懸命勉強したよ?」

俺が言葉を続ける前に、
静香が堰を切ったように喋りだして・・・


「私・・・頑張ったよ・・・だって・・・


合格したら・・・


先生が喜んでくれるって
思ったから・・・


だから頑張ったんだよ・・・。」








分かってるよ・・・



分かってる・・・



静香・・・







お前の気持ちは十分に分かってる・・・



分かりすぎるぐらいに・・・









「静香・・・俺な・・・

お前のこと好きだよ・・・。」







「それは・・・先生として? 


きっと・・・本当の恋愛とは思ってないよね・・・」





静香・・・
俺がお前のことを本気で好きになるわけがないって、
ずっとずっと思っていたのかい・・・?


どんなに俺が好きだって言っても、
ずっと不安だった・・・?



俺と一緒にいるときも・・・



いつもいつも・・・



そう思ってたのかい・・・?







「私・・・先生に迷惑をかけたくなかった・・・。


高校に合格して・・・


塾をやめちゃえば・・・


もしかしたら・・・


先生と付き合えるかもしれないって思ってた・・・


けど・・・




やっぱ・・・




ダメだよね・・・。」








ここでどれだけ静香のことを抱きしめたかっただろう・・・



ここでどれだけ俺の本当の想いを伝えられることができたら・・・



どれだけ幸せだっただろう・・・







「静香・・・俺は、お前のことが本当に好きだよ・・・」





「ホント・・・?」




「でもな・・・・」




「やっぱり・・・ダメなんだよね・・・」










もう・・・後には引けないんだ・・・













「俺の話を聞いてくれないか?」





俺のいつも以上に真面目な口調に、静香も肯いて・・・





「俺はさ・・・・俺にはさ・・・」
by seaofsea | 2007-02-07 20:53 | 恋愛 小説 中学生恋愛記